高級万年筆はどれくらい高級か

「高級品」として挙げられることの多い万年筆。実際には手頃なものも数多く存在し、そのどれもが素晴らしいクオリティに仕上がっている。普段使いに最適なものもたくさんあり、万年筆はどんどん身近な存在になってきた。

しかし、やはりいくつかの「高級品」が存在するのも事実。中には100万円を超えるような「超高級品」まで存在する。そのほとんどが美しい蒔絵や螺鈿、彫金といった伝統工芸が施されたものばかり。実際に使用するには恐れ多い仕上がりのものばかりだ。




Ads by Google
今回はそんな「芸術作品」ではなく、実際にインクを入れて使える高級万年筆を幾つか紹介しよう。

 

アウロラ オプティマ

1919年、イタリアで最初に誕生した万年筆メーカー「アウロラ」の代表作。全ての工程を一貫して自社工場で生産している数少ないメーカーのひとつ。美しい軸に使用されている特製樹脂は「アウロロイド」と呼ばれ、1本1本独特の模様を生み出している。ピストン吸入式(本体そのものがタンクとなっており、尻軸を回転させペン先からインクを吸入する)を採用している。

パーカー デュオフォールド センテニアル

伝統あるイギリスのブランドで、王室御用達の一品としても知られるパーカーの代表作。1920年代から製造されているこのモデルは、それまでになかった赤いボディの万年筆、通称「ビッグレッド」という新しいデザイン性を万年筆に与えた。インクカートリッジとコンバーター両用式で、出先でインクが切れてしまってもすぐに装填できるのが嬉しい。

パイロット カスタム845

日本の筆記具業界を牽引する大企業でありながら、万年筆の製造にも古くから尽力しているパイロット。その中でもこの「カスタム 845」は、希少樹脂であるエボナイトを漆で仕上げを施した高級品。その見た目、握り心地、書き心地、全てにおいて国産万年筆の最高峰の一つ。カートリッジ、コンバーターに対応。

セーラー キングプロフィット

日本の万年筆の歴史を作ってきた老舗メーカー、セーラー万年筆。代表作プロフィットシリーズに「王」の名を冠したこのキングプロフィットは、21kペン先の持つしなやかさを存分に堪能できる。日本語の文字の美しさのために作られた最高傑作。カートリッジ、コンバーター両用式。

ペリカン スーベレーン M800

万年筆といえば、ペリカン。ペリカンといえば万年筆。ドイツの職人芸によってのみ生み出されるその美しすぎる見た目から完成された書き味まで、どれをとっても「最高品」の言葉に尽きる。「スーベレーン」とはドイツ語で「卓越した」「優れたもの」という意味で、まさにその名の通りの一本。ピストン吸入式で吸入されたボディ内のインクは、2種類の樹脂を丁寧に重ね合わせて作られたボディの縞模様から残量を確認できる。

モンブラン マイスターシュテュック 149

全ての万年筆の頂点に君臨するマイスターシュテュック。全てが美しく、書き味は一生忘れられなくなるほど。ブランド名はヨーロッパアルプス最高峰「モンブラン」の名を冠し、キャップの先端に記された白いロゴマークはその「モンブラン」の頂に降り積もった雪を表す。ペン先にはモンブラン山とその標高である「4810」が刻印されている。ピストン吸入式。

 

おわりに

モンブランのマイスターシュテュックを除けば、そのどれもが大体5万円前後。万年筆以外の高級品と比べると、それほど驚く価格でもないのではないだろうか。孫の孫の代まで延々と受け継がれる家宝の一本として考えれば、なおさら安い。

とはいえやはり夢の一本。ほいほい買えるものでもないが、一覧にしてこうして価格帯を把握しておくだけで、「手の届く夢」として良いモチベーションになる。




Ads by Google

[dfads params=’groups=-1&limit=1&orderby=random’]

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください