ポケットに入る万年筆。その価格わずか3,000円。全く期待していなかった。書き味を求めるような価格ではないからだ。しかも海外メーカーでこの価格となると、書き味どころの話ではないものが多い。
セールスポイントは、ポケットに入るそのサイズ。全長10.6cmのコンパクトな万年筆。キャップを胴尻につければ十分な長さになるので、EDCに最適な万年筆として気になっていた。
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KAWECO Sport
ところが実際に書いてみて、度肝を抜かれた。十分どころではない、しっかりと本物の万年筆として完成されたペン先。スラスラと滑りのよいペン先は、書く心地よさをよくわかってくれている。インクフローも完璧だ。これほどのものとは思ってもいなかった。
これは決してオモチャじゃない。
シリーズラインナップ
そんなカヴェコのスポーツにはいくつかシリーズがある。
- クラシックスポーツ
- スカイラインスポーツ
- アイススポーツ
- ALスポーツ
- ACスポーツ
- ブラススポーツ
クラシックスポーツはゴールドトリム、スカイラインはシルバートリム、アイスはクリアボディ、ALはアルミニウムボディ、ACはカーボン素材、ブラスは真鍮製のボディとそれぞれなっている。
国内で手に入るのはMニブのみ
基本的に全てがMニブになっているが、AL、AC、ブラスは別売りのペン先に交換可能になっており、EF、F、B、BBの選択肢の他に金製ニブも用意されている。
楽天で買える樹脂モデル用ニブ
樹脂ボディのシリーズはニブ交換不可となっているが、クラシックとアイスに関しては首軸ごと交換するタイプのニブが楽天市場で販売されているので、好きなペン先に交換可能だ。
残念ながらスカイラインだけは日本国内では選択肢がMニブのみになってしまうため、今回の写真のスカイラインスポーツはドイツ本国から取り寄せたものになっている。
カートリッジとコンバーター
他にもちょっとややこしい制限があって、樹脂ボディのものとブラスはカートリッジとコンバーター両用、ALとACはカートリッジ専用となっている。
カートリッジはヨーロッパ共通規格なので、モンブランやペリカンを始めとした様々なカートリッジが使えるのは嬉しいところ。
圧倒的なコンパクト
ラミーのアルスターとの比較画像。キャップをした状態では、同じ万年筆とは到底思えないほどのサイズの違いがある。
逆にキャップを外して書く状態にすると、アルスターに匹敵するほどの「ちゃんとした」万年筆のサイズになってくれる。グリップ感も申し分ない。
一見万年筆とは思えないようなその独特のフォルム。しかしその歴史はとても古くて伝統あるモデルなのだ。オリジナルのカヴェコ社はなくなってしまい、今現在販売されているのはGutberlet GmbH社が作る復刻版となっているが、ドイツのマイスター魂は脈々と受け継がれていることがわかるほど、その書き味は本当に素晴らしい。
手頃な価格で手に入るドイツ万年筆。カクノの次に選ぶ万年筆としても、デイリー万年筆としても十分にその役割を果たしてくれるだろう。
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