モノクロが好きだ。「色」という情報がない世界は、想像力を掻き立てられる。見る人それぞれの主観でそこに物語を創り出すことができる。特にストリートスナップなどでは、色があることで情報過多になってしまうこともある。鮮やかな色彩を楽しむのも写真の醍醐味のひとつだが、切り取られた瞬間に流れるストーリーを思い描くのもまた、写真特有の楽しみ方のひとつだと思う。
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モノクロを撮る
しかし思い通りのモノクロ写真を撮るのは難しい。デジタル一眼レフなどに搭載されているモノクロ機能は、ただ単に色情報をモノクロ変換しただけののっぺりとしたものが多い。結局はパソコンに取り込んで専用のソフトなどを使って加工しなければならない。
結構面倒だ。カメラで撮るときに、仕上がりを想像して撮るのと、撮ったときに全てが完結していて、しっかりとかっこいいモノクロ写真が撮れるのとでは、「撮る」という行為にできる集中の度合いも変わってくる。
そんな中、この「モノクロ写真」をめちゃくちゃかっこよく撮れてしまうカメラがある。あらかじめ設定してしまえば、後はシャッターを押すだけ。それだけで信じられないほど「うっとりとする」ような写真が撮れてしまうのだ。
ミラーレス
まずはミラーレス。レンズを交換して撮影できるのが一番の醍醐味。デジタル一眼レフよりも圧倒的にコンパクトなものが多く、なおかつ一眼レフのようにレンズそれぞれの特徴を生かした写真が撮れることもあり、近年では一眼レフからミラーレスに持ち替えるフォトグラファーも多い。
その中でももっともかっこよくモノクロ写真が撮れるカメラがこれ。
OLYMPUS PEN-F
もともとはフィルムカメラの時代に絶大な人気を誇っていた同名モデルのデジタル版リイシューとなるこのカメラは、個人的に日本のメーカーが発売している現行モデルのカメラの中で一番かっこいいカメラだと思う。レンズキットに付属する12mm(35mm換算で24mm)のレンズも素晴らしい。
搭載されている液晶ビューファインダーの視認性も高くて見やすく、マニュアルフォーカスでもはっきりとピントを確認することができるので、ストレスなく撮影に集中できる。
「モノクロ/カラープロファイルコントロール」という機能が搭載されており、これによってモノクロからカラーまで多彩な表現ができるようになっている。フィルムの選択や写真の現像、焼き付けなどといったプロセスをカメラの中で簡単に行えてしまう機能だ。そのレベルはもはやフォトショップいらずといっても過言ではない。
背面の液晶がバリアングル(可変)なうえ、液晶を閉じてフィルムカメラのようなルックスにできるのも粋なデザインのひとつ。
「マスターピース」と謳われたこのモデルは、まさにオリンパスのカメラ史上最高傑作間違いない。
コンパクト
カメラ本体とレンズが一体型になったもので、カバンやポケットの中にしまえるサイズのものが多い。どんな時にも持ち歩けるので、ストリートスナップやサブカメラとして愛用するのに最適だ。
何気ない瞬間をとっさに気軽に撮れるのがいい。
RICOH GRII
コンパクトカメラ史上最高傑作と言われたGRシリーズの現行モデル。もともとはフィルムコンパクトだったもので、その頃から「一眼レフと同等かそれ以上の写真が撮れる」として人気が高いモデルで、搭載されているレンズは「GRレンズ」と呼ばれ、その高い人気の理由のひとつになっている。
単焦点(ズーム非搭載)レンズだが、35mm換算28mmの画角はオールラウンドで、どんな撮影にも適している。
一つ前のバージョンからイメージセンサーにAPS-Cサイズが採用され、これもまた「一眼レフ同等レベル」をコンパクトカメラのサイズの中に搭載されている。
僕がニューヨークにいた頃に常に上着のポケットに突っ込んで持ち歩いていたのもこのカメラで、ほぼ全ての操作を片手でできてしまうのも、さすが「最強のスナップシューター」の異名を持つこのモデルならでは。
使う人それぞれに合わせた様々な設定が非常に細かく行える上、ファンクションボタンにそれらをアサインしていつでもすぐに呼び出せるようにできる。
モノクロ写真を撮らせたら右に出るものはいないんじゃないかと思えるほど、かっこいいモノクロが撮れる。もちろんカラーも圧倒的に綺麗。
現行モデルからWi-Fi機能が搭載され、撮った写真をその場ですぐにスマホに転送したり、三脚に立てた時などにカメラをスマホで遠隔操作できるようになったのも嬉しい(専用アプリ必要)。
おわりに
どちらも「一生もの」レベルのカメラだ。最高の相棒になってくれる。どんなときにでも持ち歩いて、いろんな「自分だけの瞬間」を切り取ってくれる。カメラを持ち歩く喜びを、本当の意味で満たしてくれる、そんなカメラだと思う。
この2機種は好きすぎてどちらもあまり人に教えたくないカメラだけど、だからこそ本当にオススメ。
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