万年筆といえばインク。インクといえば、瓶タイプとカートリッジタイプがある。万年筆本体が吸入式になっているものは瓶タイプのインクを使って本体に直接インクを入れるが、カートリッジ、コンバーター両用タイプの万年筆では、各メーカーが発売しているカートリッジタイプのインクを使うか、またはカートリッジの代わりにコンバーターを取り付け、瓶タイプのインクを吸入してインクを入れるかのどちらかを選ぶことができる。
今回はカートリッジタイプのインクに焦点を当て、どのメーカーの万年筆にどのメーカーのインクが使えるのか、あるいは使えないのかをリストアップしようと思う。
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各メーカーのインクカートリッジ
このカートリッジタイプのインクを選ぶにあたっては、万年筆本体との物理的な相性があり、万年筆とインクのメーカーが同じものでなければならないという制約が発生してしまう。それを避ける為、ヨーロッパのメーカーを中心に共通規格を設け、同規格内であればどのメーカーのインクカートリッジも使用可能なようにしたのだ。
ヨーロッパ共通規格
以下に挙げたものが、欧州共通規格を採用しているメーカーの一覧だ。欧州共通規格の共通点としては、ショートタイプのカートリッジということだ。万年筆本体の大きさに左右されずに使うことができるようにするためであり、メーカーによってはロングタイプとショートタイプの2種類を販売しているメーカーもあるので、他社メーカーの万年筆で使用する際にはロングタイプを購入すると本体に入らない場合があるので気をつけて入手しよう。
ドイツ
- モンブラン
- ペリカン
- カヴェコ
- ファーバーカステル
- ロットリング
イタリア
- アウロラ
- デルタ
- ビスコンティ
フランス
- エルバン
- ウォーターマン
- カルティエ
アメリカ
- モンテベルデ
イギリス
- コンウェイスチュワート
スイス
- カランダッシュ
日本
- オート
- トンボ
- ぺんてる
独自規格
ヨーロッパ共通規格に対して、独自の規格を採用しているメーカーもある。以下が独自規格を採用しているメーカー。これらのメーカーの万年筆には、同社のインクカートリッジのみ使用可能となっており、他社製カートリッジは使用できない。
どうしても以下のメーカーの万年筆で他社のインクを使用したい場合は、各社が発売しているコンバーターを使用する必要がある。
ドイツ
- ラミー
イギリス
- パーカー
アメリカ
- シェーファー
- クロス
日本
- パイロット
- セーラー
- プラチナ
意外なのは、日本の三大メーカーやラミーが全て自社の独自規格を採用している点だ。それでも世界中で愛用されているということは、ヨーロッパ共通規格はさほど大きなアドバンテージにはなっていないように思える。
日本で言うところの習字の毛筆のように、ヨーロッパなどでは小さい頃から万年筆を授業などで使うことが多いという。そういった文化的背景も、このヨーロッパ共通規格の採用にはあるのかもしれない。
さいごに
メーカーによっては、自社のインクを使用することを推奨していたり、他社製インクを使用しての故障を保証していない場合もあるが、万年筆の最大の楽しみのひとつである「好きなインクを入れる」という部分を、やっぱり思う存分楽しむべきだと僕は思う。
お持ちの万年筆が欧州共通規格のものであろうとなかろうと、コンバーターなどを使って瓶タイプのインクにもぜひ挑戦してみてほしい。
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