日本の伝統的な青といえば、藍染の青。「ジャパンブルー」とも称されるその深く凛々しい青色こそ、万年筆のインクとして僕がもっとも探し求めてきたインクカラーだ。
ヨーロッパではブルーインクのことを「ロイヤルブルー」と呼ぶことが多い。同名のインクカラーがいろいろなブランドから発売されているほど。ブランドによってその個性は様々だが、僕個人的な感想としては、少し赤みがかった青色が多い。ほんの少しだけ紫色に近い気品あるブルー。
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一方日本の青は、深くまっすぐな凜としたブルー。夜明けの静寂のような混じりっけのない青が多い。
そんな日本の青の代表的な色が藍染のあの色だ。この藍染の青に似た色を探すために、いくつかの青系インクを集めて比べてみた。
僕の好みのブルー系インク
Waterman – Mysterious Blue
ウォーターマンのミステリアスブルー。もともとブルーブラックとして発売されていたブルーだが、ブルーブラックにしては鮮やかな青。完全なブルーインクほどうるさくなく、王道的なブルーブラックほど暗くもない。書いていてちょうど良い青みが、藍染の代表的な色に似ていてお気に入り。
Parker – Quink Blue Black
パーカーのクインクのブルーブラック。ウォーターマンのミステリアスブルーに似ているが、比べると少し暗く、ほんのりと暖色系の青。これも麻布に染め付けられた藍の色に近くて好きだ。ウォーターマンとパーカーのブルーブラックは、本来のブルーブラックのイメージを覆すほど美しい。
Kaweco – Royal Blue
カヴェコのロイヤルブルー。典型的なヨーロッパのロイヤルブルーで、少し赤みがかっている。僕の探しているブルーではないが、とても気品があり美しい。
Diamine – Denim
ダイアミンのデニム。藍染といえばデニムが浮かぶほど、ジャパンブルーのジーンズは有名だ。このインクはそんなデニムらしい深くて濃い紺色のインクで、何度も染めの工程を経た藍色に似ていて本当に綺麗だ。
Pelikan – 4001 Royal Blue
ペリカンのロイヤルブルーは、赤みが少なくて透き通った青色。ロイヤルブルーの中では一番好きな色で、プラチナのシャルトルブルーによく似合う。
Monteverde – Horizon Blue
モンテベルデのホライズンブルー。一目惚れしたブルーは、一際鮮やかで晴れ渡った空のような色。うるさすぎず、それでいて目の覚めるような青色。他に似ない新しいイメージのブルーインク。
Lamy – Turquoise
ラミーのターコイズは、他のブランドのものに比べて控え目で読みやすい色の文字が書ける。ターコイズ系では一番好きな色のうちのひとつだ。
Pelikan – 4001 Blue Black
ペリカンのブルーブラックは今回の中で唯一の古典インクで、経年で黒く変色する。書き立ても伝統的なブルーブラックの色味で、とてもかっこいい。古典インクなので裏抜けもしにくく、長期保存に適している。
Sailor – Jentle Blue
セーラー万年筆のジェントルインク、ブルー。ヨーロッパのロイヤルブルーと比べると信じられないほど深く濃い青。まさに「日本の青」という感じだが、これといって名前のないただの「ブルー」なのがなんとも。日本のブルーも何か特別な名前にすれば良いのにと思う。真面目で綺麗な青。
Diamine – Indigo
ダイアミンのインディゴ。インディゴとは天然の染料である藍染の色を人工的に作り出したもの。いわば人工藍色ということになる。好みの色に近いかと思ったが、浅く染められたインディゴ生地のような色味。これはこれで美しいが、少し物足りない。ペリカンのブルーブラックに似た色。
今後も引き続き青集め
僕は青が好きだ。ということに気づいた今回のインク集め。これからも気に入った青系のインクがあれば紹介していこうと思う。
今の所、ウォーターマンのミステリアスブルーが一番のお気に入りだ。
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