「一眼レフ入門」と言っても、いきなり出てくる意味不明な単語、単語、単語。なんであんなにいろいろな単語が出てきて、なんであんなにいろいろな機能があって、なんであんなにいろいろあれこれ操作しなくちゃいけないんだろう。ありゃ一体何をやってるんだろう。
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そもそもカメラとは、いかにして光を取り込むかという機械だ。言い換えれば、いかにして光を操り、そしてフィルム(デジタルカメラなら映像素子)に写し込むか、というのが操作の要となる。
光を操る
では、どうやって光を操るのか。その操るための機能が、カメラには3つ搭載されている。この3つを駆使して光を操るのだ。
レンズ(F値)
まずは本体ではなくレンズ側の操作。実際にカメラのレンズを見たことがある人は気づいているかもしれないが、カメラのレンズの枠や本体には「 F 1 : 〇〇」といったように印字されている。
これは、人間の目の明るさを「1」とした時に、そのレンズが1に対してどれくらいの比率の明るさを持っているか、というものを表す。つまり「1」に近ければ近いほど明るいレンズということになる。そして値段も高くなるのが定石。
ちなみに「F / 0.95」というような「人間の目の明るさ」を超えるレンズさえ存在する。
絞り
このF値を操作するために「絞り」というものを使う。昔はほとんどがレンズ側に搭載されていた絞りリングだが、最近ではカメラ本体側で操作することの方が多くなっている。「絞り開放」というとレンズ本来のF値になり、段階的に絞っていくことでこのF値を上げていく(暗くなっていく)。「絞り羽」と呼ばれる複数の幕が徐々に狭まることで人間の目の「瞳孔」に似た役目を果たしている。
ボケを操る
この「絞り」は、「被写界深度(写真上でピントが合っている部分)と大きく関わっていて、開放にすれば被写界深度は浅く(ピントが合っていない前後が大きくボケる)、逆に絞れば絞るほど被写界深度が深くなり、全体がはっきりと描写されるようになる。
前後をボカして花などを取る場合は開放近くで、逆に風景や全体像をはっきりと写したいときは絞って撮影するといい。
ISO感度
次に光を操る機能として、「ISO感度」というものがある。これは元々フィルムの持つ粒子の明るさを表すもので、100、200、400、800、といった具合に倍々に増えていくのが一般的だ。100が最も暗く、逆に数値が上がるほど明るくなる。しかし高感度にすればするほど粒子が荒くなるため、当然仕上がった写真にもノイズが発生しやすくなる。テレビで見かける暗視カメラなどの映像がザラザラとしたノイズだらけの映像になっているのがわかりやすい例だ。
僕はフィルム感覚でこのISOを設定するので、200か400に固定することが多い。そのほうが写真を撮ってる感があって楽しいから。
でもこれはケースバイケースで、夜景や夕方、夜明け前などの暗い時間帯ではもちろん感度を上げることもある。
シャッタースピード
いよいよカメラ本体での光の操作になる。シャッタースピードの設定だ。数千分の一秒から数十秒まで機種によって若干のばらつきはあるが、早ければ早いほど暗くなり(光を取り込む時間が短くなる)、長ければ長いほど明るくなる。
しかし、シャッターが開いている間は動くもの全てを写してしまうので、長くなればそれだけブレるし、短ければ時間が止まったような写真が撮れる。シャッタースピードを短くして波しぶきを止めて写したり、逆にブレを利用して長くして川の流れを絹のようにたり、様々な表現が可能になる機能だ。
3つの機能の相互作用
それぞれが一長一短、良い点悪い点を持ち合わせている。これらを上手く組み合わせてお互いに補い合わせながら、一枚の写真という作品が出来上がっている。なかなか面白い機械でしょ。
最近のカメラは本当によくできていて、各メーカーの努力が目一杯に詰め込められている。「オート」機能もそのひとつだ。今回書いたようなことを一切気にせずに「オート」にしておけば、あとはシャッターを切るだけで美しい写真が撮れる。
でもたまには、マニュアルモードや絞り優先、シャッタースピード優先などに設定して、自分で光を操るのも、カメラの醍醐味のひとつだと思う。
おわりに
今日書いた3つの機能、これらはすべて倍々に数値が設定されている(最近では1/3段階のものも多い)。つまりひとつ目盛りを上げると倍の明るさになり、下げると半分の明るさになる。このことを覚えておけば、ISOを一段階上げるとシャッタースピードか絞りを一段階下げる、といった具合にすれば、もとの明るさを変化させずにISOだけを上げることができるのだ。
以上がこの3つの機能、「絞り(F値)」「ISO」「シャッタースピード」の関係性だ。
ぜひ光を操る楽しみを体感して、カメラでできる表現の幅を広げてほしい。
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